欧米・オセアニアでは、もっともポピュラーな木部用保存剤
ホウ素系木材保存剤とは
ホウ素系木材保存剤
ホウ素系木材保存剤とは、ホウ酸塩を有効成分とする防虫・防腐・防蟻剤の総称で、欧米・オセアニアではもっともポピュラーな木部用保存剤です。
ホウ酸塩
ホウ酸塩とは、ホウ素を含む鉱物およびその精製物で、米・カリフォルニア州やトルコで採掘されます。
自然界では鉱脈のほか、海水・淡水・土壌・そしてすべての植物に含まれています。
工業に利用されるホウ酸塩
ホウ酸塩は工業的にとても重要で、耐熱ガラス・グラスファイバー・ほうろう・メッキなどに広く利用されています。
農業に利用されるホウ酸塩
ホウ酸塩に含まれる「ホウ素」は植物にとって必須微量栄養素であり、わが国では年間3,000トンものホウ酸塩が肥料として撒かれています。
木材保存に利用されるホウ酸塩: DOT
木材保存には主にDOT(八ホウ酸二ナトリウム四水和物 商標名: ティンボア、Tim-bor)が利用されており、次のような特長を持っています。
ホウ素含有率が高く、効き目が強い
広い範囲の害虫や菌に有効
害虫などが耐性を獲得することはできない
分解されず、非揮発性であるので空気を汚さず、効果が減衰しない
金属腐食性が無い
木材への浸透性が高い
米国環境保護庁(U.S.EPA)に認可された数少ない木部用保存剤
木材保存剤としての歴史
1930年代: オーストラリアで始まる
1950年代: 世界で初めてニュージーランドで規格化
1980年代: 米国で規格化、本格的利用が始まる
1990年代: 米・ハワイ州参入
わが国でのホウ酸塩
わが国ではヒラタキクイムシ対策(JAS K1)として規格化されています。
防腐防蟻用途としては、2008年2月にやっと加圧注入用で日本木材保存協会に認定(JIS K1571(附属書))されました。
ただ、現場処理剤としてはいまだに認定されておらず、国際的に遅れをとっている感を否めません。
ハワイでのホウ酸塩
19世紀後半ハワイに持ち込まれたイエシロアリが猛威をふるいました。
これを受けて、州は条例で、木造住宅の構造材すべてに防蟻処理を義務付けました。
当初、CCA(クロム・銅・ヒ素)処理材が主流でしたが、1992年に参入したDOT処理材が短期間でそのシェアを奪いました。
今日では、ハワイで建てられている木造住宅の構造材はDOTで処理されています。
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